
リノベーションでインテリアを決めるのはとても楽しい作業です。
どんな家具を置くか、壁紙のデザインはどうしようか……考えるだけでもワクワクが止まりません。
ただ、漠然と気に入ったアイテムを選んでいくと、まとまりのない空間になってしまうことも。お気に入りのアイテムを生かすためにも、インテリアのテイストを考えておくことが大切です。
インテリアスタイルの種類
インテリアのスタイルは多岐に渡り、細分化すれば数え切れないほど。今回はその中からリノベーションでおすすめのインテリアをご紹介します。
インダストリアルスタイル

インダストリアルとは、英語で「工業用」といった意味を持つ言葉です。
インテリアにおいては、コンクリート躯体や配管、配線をあえて見せ、木材に加えて金属素材を取り入れて構成します。
無骨でクールな空間は古さを生かすリノベーションにピッタリ。
ブラック色や金属素材が多くなるとハードでメンズライクな印象になります。
反対にブラック色や金属素材はアクセントにとどめ、グレーやベージュ系の内装に木材や植物を取り入れると、
ファミリーでも過ごしやすい空間になるでしょう。
また、躯体や配管を見せるということは内装の仕上げが必要ないということ。
コスト削減にもつながります。
北欧スタイル

フィンランド、ノルウェーを始めとする北欧には森林が多く、自然との共生が暮らしに根付いています。
その影響はインテリアにも。
木や自然素材をふんだんに取り入れ、家の中にいても自然を感じられます。
長くて厳しい冬を越すための生活の知恵とも言えるでしょう。
北欧インテリアは、白やグレーをベースカラーに、木製家具を配置。
ナチュラルなインテリアが基本になります。
次にポイントとなるのがファブリックです。ラグやカーテンも、麻やコットンのような自然素材から選ぶのがポイント。
マリメッコに代表される北欧デザインをアートやクッションなどに取り入れると、より北欧らしいお部屋になります。
モダンスタイル

モダンとは英語で「近代」を示す言葉。ホテルのような洗練された空間というイメージがありますが、モダンインテリアにもシンプルなスタイルから、原色を取り入れるイタリアンモダンまで多くの種類があります。

基本的にカラーは白やグレー、黒などモノトーンをベースに構成。
インテリアアイテムには金属やガラス、大理石など近代的な素材を用います。
モノトーンカラーに直線的なアイテムで構成するので、スタイリッシュに感じられるインテリアです。
アンティークスタイル

骨董品、アンティーク、ヴィンテージ……古い家具や道具をインテリアに取り入れると、年月を重ねた趣を感じられます。その魅力はリノベーションに通じるものがあるのではないでしょうか。
内装においてはエイジングと呼ばれる、あえて古く見せるための加工を施すと古道具が映えるインテリアになります。
わざと塗装で汚したり、ヤスリをかけて部分的に塗料を剥がしたりすることも。
古材やサビのついたアイテムを取り入れても良いでしょう。
シンプル・ミニマルスタイル

できるだけ物を減らす、不要な物は持たない、ミニマルでシンプルな暮らしは注目され続けています。白や木目カラーを主体としたインテリアは、誰にとっても落ち着く空間です。

合理的とも言える暮らしのポイントは、物の量に適した収納。
置き家具はあまり配置せず、物量に合った造り付け収納があると、スッキリとした空間になります。
スクラップブックで自分の「好き」を知る
すぐに好みのインテリアを決められる方もいれば、どのインテリアも魅力的で迷ってしまう方もいるでしょう。
そこでリノベーションをすることが決まったら、ぜひ作ってみたいのが「スクラップブック」です。
作り方は簡単。フリーペーパーや雑誌に載っているインテリアから直感でいいな、と思った写真を切り抜いて貼っていくだけです。

リビング、キッチン、玄関など、場所で分けてスクラップしておくと後から見返しやすくなります。
InstagramやPinterestなどSNSを活用するのももちろんですが、打ち合わせで担当者に見せるにはスクラップブックが便利です。
インテリアの大枠を決めていく
インテリアのスタイルが決まれば、内装の大枠を決める作業に入ります。
内装とは壁・床・天井の仕上げ、室内ドアや室内窓、収納扉などの建具を指し、
インテリアのベースとなる重要な部分です。
特に面積の広い、壁・床・天井の仕上げ材は、部屋のイメージを左右するので慎重に選びましょう。

また、内装はコスト調整しやすい部分でもあります。
例えば、足が直接触れる床材にはこだわり、天井や壁はコストを抑えるといった方法も可能。
壁の一面だけアクセントクロスで華やかに演出するのも良いでしょう。
ご家族で壁を塗って、思い出を刻むのも素敵なアイディア。
コスト削減にもなり、味わいのある空間に仕上がります。
さまざまな手法を知るにも、情報収集が要となります。できるだけ多くの施工事例に触れて、インテリアの感度を高めておきましょう。
自分の「好き」を伝える

リノベーションを成功につなげるには、自分の思い描くイメージを設計者に上手に伝えることが大切です。
そこから先は、リノベーションのプロにおまかせを。言葉にするのが難しいイメージを丁寧に「住まい」という形につくり上げていきます。些細なこともぜひご相談ください。