レンガ造りの建物に、緑色の扉が目を引く恵文社一乗寺店。店内には書店のほか、衣食住にまつわる本と雑貨を取り揃える「生活館」、2つのギャラリーに加え、文具や理科学系のアイテムも販売している「ギャラリーアンフェール」、そして「イベントスペース・コテージ」といったエリアがあります。一乗寺にオープンして50年以上。まちに溶け込み、たくさんの人に愛されてきました。





店に足を踏み入れると、入口から壁際まで見渡す限り本でいっぱい。深みのある色合いのアンティークの棚や机に大切に並べられ、静かな佇まいが印象的。どこか秘密基地のような空間で、つい奥へ奥へと足が向かいます。



取り扱っているのは日本文学、海外文学、哲学、人文学、民俗学などさまざま。「本は出版社ごとや作家順ではなく、テーマごとにまとめています。また、大きさの異なる本も一緒の棚に。整いすぎていないことも、自然と手を伸ばしたくなる理由かもしれません。ジャンルごとの担当者が本のセレクトや陳列方法を考えています」と教えてくれたのは、スタッフの藤林さん。いろいろな棚を行き来していると、まるで本の世界に迷い込んだかのよう。


「どの本にも選んだ人の思いがつまっています。みなさんも自分だけの宝物を探すように、大切な一冊を見つけてもらえたらうれしいです」と藤林さん。本棚の前に立つと、「こんな本があるんですけど、どうですか?」と本が語りかけてくる。そんな本との対話を楽しむ本屋さんです。
「以前、2冊の本をレジまで大事に抱えて持ってきてくださり『ずっと本を読めなかったけれど、やっと読みたいと思えました』と伝えてくださったお客様がいました。わずかでも誰かの希望の光になれるのなら、とても幸せなことです」。そのときのことが今でも藤林さんの胸に深く刻まれています。

本と同じく、心を豊かにしてくれる暮らしにまつわる雑貨や文具も、手に取ってくれる誰かとの出合いを待っています。新しい世界の扉を、軽やかに開いてくれる恵文社。日々にときめきを運んでくれます。


■恵文社一乗寺店
京都市左京区一乗寺払殿町10
TEL.075‑711‑5919
営業時間 11:00~19:00(年末年始を除く)
定休日 なし(元日除く)
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