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ふわっと、爽やかにとけていく
50年以上愛される山科の名物ケーキ

山科駅から旧東海道を南西へ。ミントグリーンの三角屋根に、バルコニー付きの建物が見えてきたら、そこが「スイス菓子 ローヌ」です。シャンデリアやゴールドの螺旋階段、天使のレリーフが飾ってあり、まるでヨーロッパの城のよう。優雅でノスタルジックな雰囲気に心ときめきます。

「初代から変わらないおいしさをとの思いで、素材にこだわった菓子をつくり続けています」と話すのは、父・秀之さんからレシピと洋菓子への想いを継いだ2代目亀丸寛さん。山科にローヌが生まれて57年。今では地域の人たちのお祝い、そして日常にも欠かせない味です。

山科のローヌといえば「チーズケーキ」。「生地は口のなかでふんわり食感とともにとろけていきます。さっぱりとした風味が特徴のオランダ産のゴーダチーズを使用し、甘さ控えめ。パインの酸味がチーズと相性ぴったりですよ」と、亀丸さんが食感・味わいともにこだわりぬく代表菓です。

もちろん、チーズケーキだけではありません。「生クリームは岡山県の蒜山産のものを使っています。コクがあってさっぱりとした後味が特徴で、ケーキの風味を引き立ててくれるんです」と、亀丸さんが太鼓判を押すのがショートケーキ。五層に重ねたきめ細かなスポンジ生地の間には生クリームがたっぷり。口当たりはふわっと軽くなめらかで、爽やか。大人も子どもも大好きな一品です。

このほか、マカロンやレーズンサンド、週末限定のカヌレなど、亀丸さん考案のスイーツが店頭にずらり。マカロンは食べたときにホロホロとほどけるように、カヌレはもっちりとした歯ごたえが楽しめるように、それぞれ焼き加減を調整。食感で美味しさや楽しさを引き出すのも亀丸さんのこだわりです。

「作るのは、まずは自分が食べたいと思ったもの。そして、本当に自分がおいしいと感じるまで何度も試行錯誤の連続。そこまでして、ようやくお客さんにもおいしさが伝わると思っています」。亀丸さんの誠実な想いが、ぎゅっと詰まったローヌのお菓子。一口食べれば、愛される理由が伝わってきます。

■スイス菓子 ローヌ(本店)
京都市山科区御陵中内町4-4
TEL.075-591-1111
営業時間 9:00〜18:00
定休日 火曜・第3水曜
公式サイト