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種のお菓子を食べて、知って、愉しむ

壬生の住宅街に2022年にオープンした「SHUKA(シュカ)」。店主の近藤健史さんは、1926年に京都・祇園に創業した甘納豆の「斗六屋」の四代目です。

「SHUKA」は、「斗六豆」「瑞穂丹波大納言小豆」「丹波黒豆」といった、いわゆる“甘納豆らしい”豆に「カカオ」「カシューナッツ」「スーパーグリーンピスタチオ」を加えた6種類が定番。このラインナップには、「甘納豆を残したい」という近藤さんの想いが詰まっています。

近藤さんは京都大学大学院で微生物の研究をしていましたが、家業を継ぐことを決意し、菓子店で修業。その後、斗六屋に入社しました。そこで甘納豆はメインのターゲットの年齢層が高く、市場も限られている現状を目の当たりにします。その打開策をと、イタリアのスローフードの世界大会に出店したことが、新ブランド「SHUKA」の立ち上げのきっかけとなりました。

「甘納豆の反応はいまひとつだったんですが、可能性は見いだせました。甘納豆はプラントベース(植物性)のお菓子。ポテンシャルは高い。だったら、工夫次第で甘納豆の良さを伝えられると思ったんです」

そこで、世界中の人が食べているお菓子、「チョコレート」と「ジェラート(アイスクリーム)」の要素を取り入れようと考え、カカオ豆の甘納豆の製造に着手。これが「SHUKA」の誕生につながりました。「SHUKA」とはつまり「種」の「菓子」。普段あまり意識していませんが豆は、植物が命をつなぐ種です。

さらに、2023年に完成したのがジェラート「SHUKA gelato」。こちらも先ほどと同じ6種が定番。それぞれの種、豆乳、糖だけでつくります。

「世界中の人に甘納豆を知ってほしいと、チョコレートから発想してカカオ豆で甘納豆をつくり、ジェラートをつくりました。そして今、さらにSHUKAとしてしたいことは、『種を愉しむ』ことです」と近藤さん。

「種を食べる」だけではなく、「知る愉しみ」を提供しようと、2階のカフェで種に関する講座や対談のイベントを開催する「SHUKA Schola(シュカ スコラ)」を始動しました。

「あまり種だと思ってないかもしれませんが、お米も、小麦も、蕎麦もコーンも種なんですよ。実は日本の種は、自給率が低いなどいろいろな問題を抱えています。種に関することを知ってもらって、種に関わる人を増やすのもSHUKAの役割だと思っています」

一粒の種から広がる、近藤さんの提案。実は店の造りそのものも、種を知る仕掛けの一つ。茶色の土壁に天窓。ふと見上げると、空が見えて、発芽を待つ種の気持ちがしてくるのです。ぜひ訪れてみてください。

「SHUKA」(種菓)900円~
「SHUKA gelato」(ジェラート)シングル600円、ダブル700円、トリプル800円(フレーバーによりプラス料金もあり)

■ SHUKA
京都市中京区壬生西大竹町3-1
営業時間/火~日曜 11時~17時30分
定休日/月曜
公式サイト